ここではそれぞれの方が抱える問題、または目標別に今まで説明した内容を元にお勧めの方法を提案したいと思います。 短期的に問題を解決する方法と言うことで、今まで私が説明したこととは若干矛盾するかもしれません。
◎仕事で英語が必要
仕事で英語が必要な場合、たいていはメールの読み書き、文書の読み書きが中心になります。もちろん電話で1対1で話す、電話会議、などもありますが、実際のところメールが書ければ最低限はこなせます。一通り子音の発音を練習し、それぞれの違いを確認した後、初級編の単語と中級編の文法だけを徹底的に勉強すると良いでしょう。 目安としてはTOEIC700点になればどうにか仕事が回るようになるはずです。800点を取れば少々余裕も生まれるでしょう。余裕が生まれたら発音について振り返る、語彙を増やす、文章の構成を考える、などいろいろなことに手を伸ばすとよろしいかと思います。とにかくTOEIC700-800に到達するまではあまり変なものには手を出さないことです。 駅前留学や聞き流し、CNNを見る、TOEIC向け問題集など時間の無駄なのでしないほうがいいです。 TOEIC対策は受験直前に問題形式になれるために二回くらいやれば十分でしょう。
◎TOEIC800点、900点が取れるのに話せない
私はTOEIC700点くらいで少しずつ英語が話せるようになったので、なぜこのようなことが生じるのかいまいち理解できないのですが、以下のような原因が考えられます。
1.TOEIC問題集等をひたすら解いて単語力だけですべてを乗り切っている
TOEICの問題など単語が全部わかれば大体わかる程度の問題しかありません。 中級レベルの文法をきちんと理解していない可能性があります。 英文法の枠組みをまず理解し、練習問題を解いて文章の組み立てを学び、まずはある程度長い文章を書く練習をすることです。最初はそれに時間がかかるかもしれませんが、きちんと理解し、練習すれば文章を一瞬で組み立てられるようになります。それは後々の会話力につながります。
2.単語の意味は知っているけれども用法を理解していない
大学受験スタイルで英語ー>日本語の知識を膨大に勉強してしまったのかもしれません。でも単語の意味を知っているだけアドバンテージはあります。私のお勧めする単語帳はCDが別売りなのでCDだけ買って例文を徹底的に聞き、そしてリピートし、用法を理解すると良いでしょう。
3.発音が悪すぎる
話しても通じないとしたら可能性として考えられます。 発音の本を買って練習すると良いでしょう。
前職の職場の派遣社員で「僕、アメリカの大学出てるんですけど英語はなせないんですよ(笑)」と言う人がいてびっくりしました。 実際アメリカならTOEFL500(TOEICで700-800程度)で入学許可が下りる大学が多いため、その後理系の科目だけ専攻していれば十分にありえる話だとは思います。
◎海外の大学に入学したい
これはもっとも英語力が要求されるチャレンジです。私がお勧めしたことをすべてする必要があります。ただ、上級編の正書法などは入学後に英語の授業で習うため、これに手を出す必要はありません。 TOEFLは学術的な語彙も多く出題されるため、TOEFL向けの単語集にも手を出したほうが良いです。 アドバイスとしてはTOEFL対策本は試験前だけでよいので基礎的なことに注力しましょう。これは私自身の反省もかねて言っています。 発音の学習と常に音読をすることは大切ですが、日本にいるうちから無理に会話力を上げようとしなくても、きちんとした語彙、文法があれば入学後に会話力は上達します。ただ最近はTOEFLにもスピーキングがあるそうなのでそうは言ってられないのかもしれません。
◎日常会話ができるようになりたい
私はこれを聞くたびうんざりします。こんなことを言い出すあなたは英語が必要な仕事にはおそらく就いておられないでしょう。 おそらく周りに外国人がたくさんいて話せないと困ると言った状況でもないでしょう。 単純に英語ができたらかっこいいな位の気持ちだと思います。 服みたいにお金で買えたらいいのですが能力はお金では買えません。 ワーキングホリデーや語学留学をするのはあなたの自由ですが、その後に得られる語学力はあなたの想像しているものとはかけ離れて低いものです。 ちなみにワーキングホリデーや語学留学では英語ができなくても女性の場合は誰かよってくるためあまり不自由はしないかもしれません。 これはよく話題になりますが、女性というのは生物学的に若いうちはとても有利なのです。男女は大体50%ずつ存在しているように見えて実は非対称なのです。 あまり英語とは関係が無いのでこの辺にしておきましょう。
ちなみに日常会話というのは英語習得においてもっとも難しい部類に入ります。別の項でお話したとおり会話の内容は文化的な影響を強く受けますが、特に日常会話は激しく影響を受けます。 欧米人と日本人では日常会話のそもそものテーマがまったく違うのです。また、社会的文化的背景もかなり違うため、共通の話題を探し出すだけで一苦労です。 以前勤めていた会社の日本の大学を出て仕事で英語を学んだ方が言っていました。「別に電話会議とか、文書を読むとかメールの読み書きとかは簡単なんだよ。何が難しいって、出張で日本に来た欧米人とご飯食べに行ったときの会話についていくことだよね。」 ぎりぎり仕事ができるレベルの方の典型的な悩みだと思います。 また、私はドイツの職場でいまだに昼食の際のドイツ人同士のドイツ語会話にはついていけないため、黙々と食べていたり英語のできる人と勝手に英語で会話していたりするため、ドイツ語ができないと思われていますが、仕事の話ならすべてドイツ語でできます。 一度私の設計した計算機アーキテクチャを検討するために会議を招集して20分くらいドイツ語でプレゼンをしたらびっくりして口をあけて私を眺めている人がいましたが、昼飯時の会話よりこっちのほうが簡単なのです。 結論を言うと仕事で英語の必要の無いあなたは本質的に英語が必要ではないのです。 ほかにも面白い趣味はたくさんあるはずですから他のものを選ぶことをお勧めします。
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