はじめに

私が今まで試行錯誤を繰り返す中で見つけ出した英語学習法をここにまとめたいと思います。 突飛な学習法を唱える 人や、変な学習教材を買 う人、また「アメリカへ行けば英語は話せるようになる」などと言い張る人がいますが、一番の近道は良い本を使い基礎的なことをきちんと学習することです。
ここでは私の英語学習履歴、英語に関する皆さんの疑問に対する回答、効率的な学習方法をご紹介します。 英語で仕事をしたい、勉強を したい、という方の参考にしていただければ幸いです。 皆さんのコメント、質問なども歓迎です。

2011年7月16日土曜日

冠詞とは何か (1) the = 話題のテーブルの上にあるもの

aとtheの使い方はとても難しい話題です。本来上級者でも難しい話なのですが、中級に入った方々には意識し始めてほしい話でもあります。 時々「冠詞など間違えても通じるから重要でない」とちゃぶ台返しをする日本人を見かけます。まあ英語学習など個人の意思でするものなのでご本人がそのレベルで納得がいくならそれでよいのですが、せっかくならもうちょっと上を目指しましょう。
たいてい文法書や辞書を読むと、このような状況においてはthe, このような状況においてはa, このような状況においては何もつけない、といった説明があります。これは日本語の文法書、英語の文法書、どれをとっても大差ありません。これはこれで正しいのですが冠詞の本質に迫るような説明を見ることは非常にまれです。 たいていの日本人は英語ができてもあまり理解していなかったり、また逆に英語を完璧に身につけた人はどう説明していいのかわからなかったりします。また、ヨーロッパ言語が話せる方に対しては、例えばドイツ人だったら「einとderの違いだよ」。の一言で90%の説明が済んでしまいます。
冠詞がとても難しい理由としてはまずaとtheは本来別個の概念に基づいており、それらが相互排他的に運用されるということがあります。 まずはtheについて解説します。
日本語に冠詞はありませんがまったくないわけでもありません。
「昔あるところにおじいさんとおばあさんいました。 おじいさん。。。。」
この「が」と「は」を入れ替えるとなんとなくおかしくなります。これがaとtheの違いです。 最初に出てきたときにはおじいさんは話題のテーブルにはまだいなかったので「が」を使い、その後は「は」を使います。

◎まず最初に文脈、常識等からひとつ、複数に限定されるもの
the biggest air port in the world 世界で一番大きな空港はおそらく一つ、あるいは同じ大きさのものが二つあるかもしれません。いずれにしても限定されます。それがどこにあるのかは相手は知らないかもしれません。でもどこかにあるはずで、それが限定されます。だから最初からtheがつきます。
He has two daughters. One is a doctor and the other is a teacher. 最初に二人の娘が話題のテーブルに上りました。でも一人目についてお話しするときは二人の中から無作為に選んだためtheが付きません。でもそのあとにはあと一人しか残されていません。一人に限定されました。だからtheが付きます。

The white house 米国大統領官邸のことです。 a white house は世界中にたくさんありますが、いきなりthe white house というと常識的に一つに限定されます。そう、大統領官邸。 もちろん文脈によってはただの白い家をひとつえらんでthe white houseということもありえます。
He was sued. The judge found him guilty. 彼は訴えられた。その裁判官は有罪を言い渡した。裁判官はいきなり登場しましたが、彼が訴えられた時点でそこにはすでに裁判官がいるはずです。だから限定されてtheになります。

◎世の中のすべてのそれを含む場合
The Japanese are quiet people.  日本人はおとなしい人たちです。これが事実かどうかは別としてこの場合世界中にいる日本人をひとくくりにしました。ですので約1億二千万人に限定されました。だからtheが付きます。
The automotive companies have a quite distinct culture 自動車系の会社はちょっと変わった文化を持っています。 世界中の自動車業界の中の会社をひとくくりにしました。先ほどの日本人と同様の理由でtheになります。

◎すでに話題に登場したもの
I just bought a chocolate but the (this) chocolate tastes disgusting. さっきチョコレート買ったんだけどこれ気色悪い味がする。 チョコレートを買ったところでは、まだチョコレートは右側のそれ以外の世界にありました。だからtheが付きません。 でも買ったといった時点で左側の話題のテーブルに移され、それは相手も知っている共通認識となりました。だからその次にthe chocolateとなります。


なんとなくイメージがつかめたでしょうか?厳密な定義については英英辞典でtheについての意味を調べてみてください。次回はaについて説明します。

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