はじめに

私が今まで試行錯誤を繰り返す中で見つけ出した英語学習法をここにまとめたいと思います。 突飛な学習法を唱える 人や、変な学習教材を買 う人、また「アメリカへ行けば英語は話せるようになる」などと言い張る人がいますが、一番の近道は良い本を使い基礎的なことをきちんと学習することです。
ここでは私の英語学習履歴、英語に関する皆さんの疑問に対する回答、効率的な学習方法をご紹介します。 英語で仕事をしたい、勉強を したい、という方の参考にしていただければ幸いです。 皆さんのコメント、質問なども歓迎です。

2023年9月21日木曜日

最近思ったこと


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最近この本を読みました。 私のおすすめしている勉強法に近いものをより分かりやすく提唱しています。 ただ、これは英語がネイティブの人にそれ以外の言語を勉強する方法を解説しているので日本人にはあまり当てはまらない部分もあるかもしれません。 日本語版も出てますが何が書いてあるのでしょう。 

まずは発音を勉強すること、Ankiを徹底的に使うこと、文法を勉強すること、など、私の提唱している方法との重複は多く見られます。 差分としては発音はつづりを見て発音が分かるようになるまで徹底的に勉強すること、そこでAnkiを使うこと、があります。 これは良い方法だと思います。 また、文法事項もすべてAnkiのカードに落とし込むこと、Ankiは画像や音声も扱えるため、単語はGoogle imageから持ってきたものをAnkiに張り付けることなどが提唱されています。 私自身どうしても覚えられない文法をAnkiカードにしたり、また英英、独独で読んでもいまいち意味の分からない単語をgoogle imageで調べたりしていましたが、最初から全部そうすればいいというのは面白い発想の転換です。 

発音を最初に徹底的に学習するというのはどの国の学習者を見てもできている人がほんの少数です。 「発音や文法間違いなど気にせず話そう」というのはある程度上級の人には良いアドバイスかもしれませんが、初級者には有害な考え方です。 でたらめな発音でべらべらと英語を話す人など公害級に迷惑です。  

ドラマなどを学習言語で見ることもおすすめしています。 これは私はかなりの上級者向けだと思っているのでここは少し分かり合えないところではありますが、 最初に発音、単語、文法の勉強法に触れているのでそのあと、という意味では私と一致しているところです。 英語話者がほかのヨーロッパ言語を学ぶ場合はかなり早い段階でもドラマを見てもよいのかもしれません。 しかしここでもやはり、聞き流すのではなく先にストーリーを頭に入れてから見る、などきちんと理解しながら見ることは重要だと強調しています。


- なまりの強い英語

最近オーストラリア人が5人くらい集まるパーティーに呼ばれましたが、後で気づいたことが、彼らの英語がすべて理解できて、まったく支障なく会話をしていたことです。 よく考えるとイギリス人とも最近は全く問題なく会話ができます。 以前は北米英語以外は理解するのも難しいと思いましたが、自分の英語のレベルが上がればこのようななまりにも対応できることに気づきました。

- 帰国子女の英語

大学生のころは帰国子女や高校で留学していたような人には英語ではかなわないと思っていましたが、最近は帰国子女なんて大したことないなと思うことの方が多いです。 私よりも英語(会話を含めて)ができる帰国子女は1割から2割程度です。 帰国子女といっても何歳ごろに何年いたかという問題があるのでひとくくりにはできませんが、小学校卒業以前に帰ってきたような人はまずろくな英語は話せませんし、小学校入学ごろに帰ってきたような人はただの英語ができない日本人になります。 中高生の年代でまとまった期間を過ごすとやはり実用レベルからネイティブに近い人が出てきます。 とはいっても個人差は激しく、実用レベルだけれどもうまくはない人はたくさんいますし、中には「英語は話せるけど読み書きはできない」という人もいます。残念ながら高校で留学して一言も話せない人も見ました。

最近私が「この人にはかなわない」と思ったのは4人います。

    -3歳からイギリスにしばらく滞在、そのころから英語の本をむさぼり読む、小学生の時に数回イギリスに家族の事情で渡航、帰国後も「帰国子女なら英語ができないといけない」という観念のもと英検1級取得を目標に英語学習を続け20歳で取得。 特に父親が英語にうるさい人で発音を間違えるたびに直される。 時折ネイティブレベルではないかなと思うこともあるものの、私には到達できないレベル。

   -母親がシカゴで生まれ育っていたため日本で生まれたにも関わらず子供のころから英語で育つ。大学は英語圏。 ネイティブよりもきれいな英語に聞こえました。

 - 高校で交換留学しただけ。 しかし私には到達できないレベル。

 -大学でカナダに行っただけ。 しかし私には到達できないレベル。

まあそれなりに皆さんある程度の努力(あるいは夢中)をされているか相当な適性がある方です。 私も十代で夢中で勉強しましたが、これがもう少し早かったり、親がもう少々英語の素養のある人達であればネイティブに近づけたのかなと思います。


-文法

最近パーティーで話していた外国人英語教師二人が「文法など無駄」というので口論になりました。 日本の公立小学校で教えていて、児童がみな英語が話せるようになるのに中学校で文法中心の授業を受けて話せなくなってしまうと言い張ります。 また、このうちの一方の息子は文法なしで4か国語話すとまで言っています。 こういう人がいるから英語学習者を惑わせてしまいます。 なぜこんな考え方になるのかを考えてみました。

- 話せるの定義が低い。 多分日本の小学校で教える英語なんて自己紹介程度。

- 話せるの定義が低い。 4か国語話せる息子のレベルはおそらく小学校入学程度。大学入学程度ではない。

- ヨーロッパ言語同士は言語間距離が近いので語学に適性があれば文法なしでもある程度どうにかなってしまう。 4か国語話せるは恐らくロマンス諸語を多く含むヨーロッパ言語ばかり。

この人たちが日本語のような距離の遠い言語を話せるのかとか、息子さんが何語を話すのかとか、いろいろ確認しておくべきことがありました。 私自身ドイツに行って最初の数年は英語の文法でドイツ語をしゃべっていました。 通じてしまうのです。 これを「話せる」と定義してしまえば話せるのかもしれません。


-TOEICの功罪

以前にも書いた通り、TOEICは私自身はまあ良いテストだと思っています。日本人の低い英語力に合わせたテストです。ただ簡単すぎるので英語ができる人を見極めるのはできませんが、英語ができない人を採用の段階で足切りするには最適なテストです。 

しかし、「TOEICの勉強」などと意味不明なことを口走ってTOEICを念頭に変な参考書を使ってテクニックを学ぼうとする人がかなり増えてしまいました。 また、私が新卒で就職した際には先輩(アメリカの大学を卒業)が800点台で、自分の後輩に勝てないことを相当ストレスに感じた挙句、「英語ってのはTOEICとかじゃなくてね」などとTOEIC高得点の私を馬鹿にするという高度なテクを披露されました。 

足切りには最適なテストであるにも関わらず結果的に日本人の英語学習の方向性を誤らせたTOEICは負の側面のほうが大きいのかもしれません。


-日本人の英語力

日本人の英語力は国際比較するとかなり低い部類に入ります。 東南アジアの一部の国より下です。 以前の私の仮説は日本が豊かであるため冷やかしレベルの生徒がTOEFL,IELTSなどを受けるからこんなことになるのだということでした。 これらのテストは一回100ドル以上するので発展途上国の生徒は富裕層が相当勉強したうえで回数を絞って受けるだろうというのが私の想像です。 私の知りあい(日本人)は語学留学前にIELTSを業者に勧められて受けてひどい点数を取っていました。 20年くらい前の話です。 

しかし最近は日本人の購買力がかなり下がっているにも関わらず、順位は大して変わりません。 

ただ、私の体感としては日本人の英語がそこまで劣っているとは思っていないです。 中国人やベトナム人などべらべらと英語を話しますが、発音や文法がひどすぎてほとんどなにを言っているのかわかりません。 語順がSVOであるからあれだけ話すのが楽なのかと思いますが、しかしあんなでたらめな英語を話すくらいなら日本人のように何も話せないほうがましではないかと思います。 ただここは考え方が分かれるところでしょう。 


-英検1級

やはり英検1級を取ると余裕が持てます。 求められる作文力も英語圏の大学一般教養程度のものが求められますし、2次試験のテーマは日本語でも話せないような難しい政治的話題が出ます。 ただ私にとって一番難しかったのは日本人面接委員のへたくそな英語を理解することであり、これで会話がかみ合わずinteractionの項目で点数を引かれてしまいました。

まあとはいっても、単語だけ対策していけば20代の時でも合格できた可能性は十分あります。 また、英検1級保持者を見ても時折「これで1級通るのか」と思うこともあります。 しょせん最後は人間が判定している以上いろいろなブレがあるのでしょう。 

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