はじめに

私が今まで試行錯誤を繰り返す中で見つけ出した英語学習法をここにまとめたいと思います。 突飛な学習法を唱える 人や、変な学習教材を買 う人、また「アメリカへ行けば英語は話せるようになる」などと言い張る人がいますが、一番の近道は良い本を使い基礎的なことをきちんと学習することです。
ここでは私の英語学習履歴、英語に関する皆さんの疑問に対する回答、効率的な学習方法をご紹介します。 英語で仕事をしたい、勉強を したい、という方の参考にしていただければ幸いです。 皆さんのコメント、質問なども歓迎です。

2025年5月23日金曜日

高校英語

 私の知人の中にかなり英語ができる女性がいます。 普通に日本の高校と大学を出ただけなのですが、英語を話すと「どこか留学していたのですか?」と必ず訊かれます。 どのように英語を勉強したのか尋ねると「英語なんて高校英語をきちんと勉強すれば話せる。」と言われました。 確かにその通りだと思います。 文法に関して言えば高校で習うものをきちんと習得すれば海外大学を卒業するにも十分です。(そして多くの留学生より上になります。) 単語は教科書に載っているものでは足りないのでもう少々ほかのものを使って習う必要がありますが、教科書の単語をすべて学習して使えるようになるだけでも外資系企業に勤めている多くの日本人よりはましな英語になるでしょう。

時折「日本人は受験で英語をたくさん学んできているからあとは話すトレーニングが必要なだけ」といった論調を見かけますが、私は強烈な違和感を感じます。 外資系企業に勤めていた際には、日本の難関大学を出た人たちが意味不明なemailを私の上司(外国人)に送るたびに、彼は私に「これは何?」と言って転送してきました。 私は厳密には高校教育を受けておらず、また大学受験もしていないのでなぜこうなってしまうのかはよくわかりませんが、おそらくテストを受けてすぐに忘れてしまったのでしょうか。

私はまずは高校で習う文法を考えなくても使えるレベルまで習得することが大切だと思っています。イメージとしては合気道の稽古のようなものです。 私は実際合気道1年、クラヴマガ(極めて実践的な格闘技)5年やっていました。 格闘においてはクラヴマガは即日使えますが合気道はまず使い物になりません。 攻撃者が申し合わせ通りに攻撃してくるとは限らないからです。  しかし英語においては合気道のアプローチが有効です。 なぜならまともな英語が話せる人は99%文法に則って会話をしてくるからです。

残念な例として4か国で語学留学をしたことを自慢にしている女性を見たことがあります。 聞いているだけで恥ずかしくなるような下手な英語を話していました。 私には彼女は畳の上をでたらめに転げまわっているように見えました。

2025年1月19日日曜日

上級者のでたらめなアドバイス

いろいろな人とお話をしていると、英語上級者というのは人によっていろいろなことを言い出すようです。


- アメリカへ行けばよい

- 映画を見ればよい

- まずは童話を読むことが重要

- 聖書を読むとよい

- ネイティブから習わないと

- 文法なんて勉強しても無駄


どれもでたらめなのですが、完全な間違いでもありません。


- アメリカへ行けばよい(TOEIC800点以上あれば自分の知っている文法や単語をすらすらと口に出すことはできるようになるでしょう。)

- 映画を見ればよい (TOEIC950点くらいあればかなり良い勉強になるでしょう。)

- まずは童話を読むことが重要 (基礎的な文法と単語を勉強したのちであればこれもまあいい勉強になるでしょう。 童話に興味があれば)

- 聖書を読むとよい (基礎的な文法と単語を勉強したのちであればこれもまあいい勉強になるでしょう。 聖書にに興味があれば)

- ネイティブから習わないと (TOEIC950点くらいであればその人に教えられる日本人教師はかなり数が限られるからやはりネイティブから習うのが良いでしょう)

- 文法なんて勉強しても無駄 (言葉を並べるだけの旅行英語が目標であればこのような割り切りもありでしょう。あるいは1000人に一人くらいの語学の才能があれば文法など必要無いでしょう。)

映画を見ることについては、やはりTOEIC950を超えるレベルになると見ているだけでも様々な発見があり、「この状況でこの簡単な単語の組み合わせでこう言えばよいのか!」と気づいたり、「あの英検1級の難しい単語はこう使うのか」と気づいたりします。 私はしばらく辞書を引きながら見ていただけで随分発音、単語力その他が上達しました。 しかしTOEIC 700程度ではわからない単語の嵐で終わりでしょう。

英語学習としてではないですが、私はキリスト教徒が熱心に聖書を読んでいるのだからどんな面白いことが書いてあるのだろうと思い聖書を読んだことがあります。 時々古い言葉が出ますが、そこだけ辞書を引けば書いてある内容は驚くほど簡単です。 しかし内容がつまらなすぎて挫折しました。 教会へ行くと聖書の勉強会があり、字面ではなくその裏に隠されているメッセージを学ぶようです。 ただあまり深くかかわりたい人たちではないのでやめておきました。

ネイティブ教師、あるいはネイティブと話すこととにこだわる人がたまにいますが、これもほとんど意味がありません。 確かに日本の学校の英語教師の英語力はいかがなものかと思いますが、だからと言ってネイティブ教師に習ったところで大差はありません。 特に学習者の英語力が低ければ通じる言葉がないので意味ないでしょう。  理想を言えば英語教授法を学んで日本語が話せるネイティブが一番良いわけですが、そんな人はなかなかいないでしょう。 JETプログラムで多くのただのネイティブを雇って日本中の学校に派遣していますが、あれも無意味でしょう。

留学すれば教師はすべてネイティブになります。 ただ、授業以外で英語が話せない人に話しかけてくるネイティブはあまり多くありません。 言葉の通じない人にひたすら話しかけるような頭の逝っている人は少ないからです。 営業、詐欺師、売春婦、物乞いが大半でしょう。  日本語ができない私のドイツ人の友人を追いかけまわしていた日本語しかできない女性がいましたが、これはかなりのレアケースでしょう。 私は現在発音矯正のレッスンを定期的にとっていますが、現在の私の発音を改善しているのは多くの日本人を含む教師たちです。

文法不要論はかなり多くの人が唱えているにも関わらず、そのような記述のある英語学習法についての本は見たことがありません。 こればかりはレベルが低すぎて書けないのでしょう。 都市伝説のようなものですね。 

英語学習法についての本もいろいろあります。図書館などでいくつか手に取ってみました。 特に大判の本は内容が薄いですが間違ったことは書いてありません。  新書版は良いものが多いです。 黒坂岳央氏の物も読んでみました。 私とはアプローチが違いますが文法と単語を徹底して勉強するという点において同じことです。 ただ発音についての話題がごっそりと抜け落ちている点が気になります

能動的な学習、できなかったことの繰り返し

 - 能動的な学習と受動的な学習

例えば授業を受ける、教科書を読む、映画やドラマをただ見る、といったことが受動的な学習として挙げられます。 問題集を解く、まだ覚えていない単語を集めて単語帳を作る、映画を見ながらわからない単語、表現をメモし後で調べる、といったことが能動的な学習として挙げられます。


私の経験上、英語力を伸ばすのは能動的学習だと思っています。 もちろん最初の一歩として受動的学習も必要ですが、そればかりやっていても何の力もつかないでしょう。 授業のノートを大変きれいにまとめている人がクラスに数人はいたと思いますが、このような人たちは成績はあまりよくない場合が多いです。 これは手を動かしているだけで頭を使っていないからです。 これは受動的学習に入ります。


- できなかったことを繰り返すこと


能動的学習をしたのち、例えば問題集を解いた後、それで終わってしまっては大した学習効果は得られません。 そこでできなかった問題に印をつけて、問題の内容を忘れたころにもう一度解きます。 単語帳は毎日繰り返し、覚えた単語を外して覚えられないものに絞って繰り返します。 時折問題集に直接答えを書き込む人がいますがこれは愚の骨頂です。 二回目ができなくなってしまいます。


これは英語に限らず数学でも同じです。 数学の教科書読んでいても数学ができるようになるわけなどなく、問題集を解いて、できなかったところを繰り返していれば力が付きます。

時折英語学習をしているにもかかわらず英語力が伸びない人を見かけますが、大体この二つのどちらかができていない場合が多いです。 英会話レッスンの受講もただ受けているだけなら受動的な学習に入るでしょう。 外大を出たり語学留学をしたりしても英語ができない人がたくさんいますが、これも説明がつきます。 語学留学をすればそれなりに頭を使わなければいけない宿題が毎日課されます。(=能動的学習) 私は行ったことがありませんが外大もおそらく同じでしょう。 しかし同じ宿題、同じテストを5回も10回も出す先生はいません。 できなかったことをできるようになるまで繰り返すのは自分でやるしかありません。 


2023年11月25日土曜日

  以前の投稿のリンクが切れたりしているようなのでここでおすすめの本をまとめます。

- まず初めに

初級から上級まで、どの方でもほとんどできていないのが発音なので、やはりまずは発音から始めてほしいです。 

まずこれはフォニックス。 綴りから発音が想像できるようになるので良いです。

CD BOOK フォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー) https://amzn.asia/d/4r3peNt

そして発音記号の勉強。 

これだけで聞ける・話せる UDA式30音でマスターする英会話 https://amzn.asia/d/gy3O3t7

欲を言えば、フォニックスと発音記号、両方勉強してほしいですが、どちらか自分に合うほうだけというのも一つのアプローチかもしれません。 

単語についてはやはり旺文社の英検シリーズは安定感があります。 TOEIC 向けに単語を絞ってあるようなバカな単語帳は必要ありません。 簡単な単語をまずはすべて覚えましょう。自分が知らない単語が出てくる一番下の級から始めるとよいです。

【音声アプリ対応】英検2級 でる順パス単 5訂版 (旺文社英検書) https://amzn.asia/d/9fZUmyu


このシリーズも本屋で手に取って気になりました。 ただ初級編でさえ英検準二級レベルなので、それ以下の方は英検シリーズが良いでしょう。 繰り返しますが、迷うなら低いレベルの物を買いましょう。 一つでも知らない単語があるなら覚えないといけません。

(音声つき)英語を英語で理解する 英英英単語 中級編 https://amzn.asia/d/grf8yuy


私がしてきた英語学習をかなり詳しく説明している本です。 まずはこれを読むことをお勧めします。

脳が認める外国語勉強法 https://amzn.asia/d/6bDqceg

Fluent Forever: How to Learn Any Language Fast and Never Forget It https://amzn.asia/d/dFFUA


-初級

文法学習の定番です。 後ろのほうにテストがあるのでまずはこれを受けて自分が理解できていない部分に絞って学習するとよいでしょう。 先ほどの「脳が認める外国語勉強法」によると、練習問題は解かなくてよいのですべてAnkiカードに落とし込めばよいとあります。 確かにこれでもよいと思います。 今本当にこのアプローチが有効なのかフランス語で試しています。

Essential Grammar in Use with Answers and Interactive eBook: A Self-Study Reference and Practice Book for Elementary Learners of English https://amzn.asia/d/gfTinxF


-中級

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English https://amzn.asia/d/125s1wZ


マーク・ピーターセンはこのほかにも多くの良書を出していますので読むことをお勧めします。 英語ネイティブでありながら日本語もよく理解している彼はその違いの本質を分かりやすく説明してくれます。

日本人の英語 (岩波新書) https://amzn.asia/d/6aY2ZSK


冠詞についてはこれ以外にもいくつか本がありますので読んでみてほしいです。 冠詞をある程度理解しないと「へたくそ」レベルから抜け出せません。

3つの基本ルール+αで英語の冠詞はここまで簡単になる (アルクライブラリー) https://amzn.asia/d/5j6AYyv


- 上級

私が英語圏の大学に行っていたときの大学の教科書です。 昨今のインフレでずいぶん高くなってしまいました。

A Writer's Reference https://amzn.asia/d/fBTLh1e


英作文については私はTOEFLを受けるときにそれ用の参考書で勉強しましたがどれを使ったか忘れてしまいました。しかしTOEFL、英検用にたくさんの本が出版されていますので一冊くらい読んでみるとよいです。


2023年10月28日土曜日

最近思ったこと2

 - 発音について

最近この本を読みました。

CD BOOK フォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー) https://amzn.asia/d/bCYWX7Q

別のphonicsの本を読んだ時にはこれは無理と思ったのですが、これを読めばPhonicsもそれほど難しいものではないと思えます。Phonicsを覚えれば綴りから発音が想像できるのでやはり良いです。できれば幼いころに出会っていたかった本です。 ただ、発音の説明はかなりカタカナに頼っている部分が少々気持ち悪いです。 英語の発音は例外が多いので、このphonicsのアプローチと発音記号のアプローチの合わせ技が合理的でしょう。

さらに言えばネイティブもまず最初にPhonicsを習うわけであり、小学校で英語を導入するのならPhonicsを導入すればよいのにと思います。小学校英語は文法無しで会話中心の授業をして英語嫌いを量産しているらしいですがこれは愚かなことです。 英語=英会話と思っているような英語ができない人がこのようなことを思いついたのでしょう。 あるいは日本人が英語ができるようになったら困る人たちの陰謀でしょうか。

- 冠詞について

冠詞がろくに使えていないL2話者を見ると「へたくそ」と私は思います。 ネイティブもそう思っているのかなと思っていたら次元が違いました。 例えば"there is cat on the street" と言うと、catに冠詞がついていないのでこれは境目がない猫ということになり、凄惨な光景が広がってしまうのです。 場所が台所だったら猫肉です。 しかし話者がニコニコしながらへたくそな英語を話している状況からネイティブはたぶんa catかと光景を修正しているらしいです。

最近は冠詞の使い方についてという結構マニアックな本も何冊か出ています。 いくつか読んでみました。 私自身基礎的なところはできていますが、やはり完ぺきではなく1割から2割は間違っているようです。 できれば若いころに出会っていたかった本ですが、最近出版された本が多いです。

2023年9月21日木曜日

最近思ったこと


Fluent Forever: How to Learn Any Language Fast and Never Forget It https://amzn.asia/d/9OTvAgc

最近この本を読みました。 私のおすすめしている勉強法に近いものをより分かりやすく提唱しています。 ただ、これは英語がネイティブの人にそれ以外の言語を勉強する方法を解説しているので日本人にはあまり当てはまらない部分もあるかもしれません。 日本語版も出てますが何が書いてあるのでしょう。 

まずは発音を勉強すること、Ankiを徹底的に使うこと、文法を勉強すること、など、私の提唱している方法との重複は多く見られます。 差分としては発音はつづりを見て発音が分かるようになるまで徹底的に勉強すること、そこでAnkiを使うこと、があります。 これは良い方法だと思います。 また、文法事項もすべてAnkiのカードに落とし込むこと、Ankiは画像や音声も扱えるため、単語はGoogle imageから持ってきたものをAnkiに張り付けることなどが提唱されています。 私自身どうしても覚えられない文法をAnkiカードにしたり、また英英、独独で読んでもいまいち意味の分からない単語をgoogle imageで調べたりしていましたが、最初から全部そうすればいいというのは面白い発想の転換です。 

発音を最初に徹底的に学習するというのはどの国の学習者を見てもできている人がほんの少数です。 「発音や文法間違いなど気にせず話そう」というのはある程度上級の人には良いアドバイスかもしれませんが、初級者には有害な考え方です。 でたらめな発音でべらべらと英語を話す人など公害級に迷惑です。  

ドラマなどを学習言語で見ることもおすすめしています。 これは私はかなりの上級者向けだと思っているのでここは少し分かり合えないところではありますが、 最初に発音、単語、文法の勉強法に触れているのでそのあと、という意味では私と一致しているところです。 英語話者がほかのヨーロッパ言語を学ぶ場合はかなり早い段階でもドラマを見てもよいのかもしれません。 しかしここでもやはり、聞き流すのではなく先にストーリーを頭に入れてから見る、などきちんと理解しながら見ることは重要だと強調しています。


- なまりの強い英語

最近オーストラリア人が5人くらい集まるパーティーに呼ばれましたが、後で気づいたことが、彼らの英語がすべて理解できて、まったく支障なく会話をしていたことです。 よく考えるとイギリス人とも最近は全く問題なく会話ができます。 以前は北米英語以外は理解するのも難しいと思いましたが、自分の英語のレベルが上がればこのようななまりにも対応できることに気づきました。

- 帰国子女の英語

大学生のころは帰国子女や高校で留学していたような人には英語ではかなわないと思っていましたが、最近は帰国子女なんて大したことないなと思うことの方が多いです。 私よりも英語(会話を含めて)ができる帰国子女は1割から2割程度です。 帰国子女といっても何歳ごろに何年いたかという問題があるのでひとくくりにはできませんが、小学校卒業以前に帰ってきたような人はまずろくな英語は話せませんし、小学校入学ごろに帰ってきたような人はただの英語ができない日本人になります。 中高生の年代でまとまった期間を過ごすとやはり実用レベルからネイティブに近い人が出てきます。 とはいっても個人差は激しく、実用レベルだけれどもうまくはない人はたくさんいますし、中には「英語は話せるけど読み書きはできない」という人もいます。残念ながら高校で留学して一言も話せない人も見ました。

最近私が「この人にはかなわない」と思ったのは4人います。

    -3歳からイギリスにしばらく滞在、そのころから英語の本をむさぼり読む、小学生の時に数回イギリスに家族の事情で渡航、帰国後も「帰国子女なら英語ができないといけない」という観念のもと英検1級取得を目標に英語学習を続け20歳で取得。 特に父親が英語にうるさい人で発音を間違えるたびに直される。 時折ネイティブレベルではないかなと思うこともあるものの、私には到達できないレベル。

   -母親がシカゴで生まれ育っていたため日本で生まれたにも関わらず子供のころから英語で育つ。大学は英語圏。 ネイティブよりもきれいな英語に聞こえました。

 - 高校で交換留学しただけ。 しかし私には到達できないレベル。

 -大学でカナダに行っただけ。 しかし私には到達できないレベル。

まあそれなりに皆さんある程度の努力(あるいは夢中)をされているか相当な適性がある方です。 私も十代で夢中で勉強しましたが、これがもう少し早かったり、親がもう少々英語の素養のある人達であればネイティブに近づけたのかなと思います。


-文法

最近パーティーで話していた外国人英語教師二人が「文法など無駄」というので口論になりました。 日本の公立小学校で教えていて、児童がみな英語が話せるようになるのに中学校で文法中心の授業を受けて話せなくなってしまうと言い張ります。 また、このうちの一方の息子は文法なしで4か国語話すとまで言っています。 こういう人がいるから英語学習者を惑わせてしまいます。 なぜこんな考え方になるのかを考えてみました。

- 話せるの定義が低い。 多分日本の小学校で教える英語なんて自己紹介程度。

- 話せるの定義が低い。 4か国語話せる息子のレベルはおそらく小学校入学程度。大学入学程度ではない。

- ヨーロッパ言語同士は言語間距離が近いので語学に適性があれば文法なしでもある程度どうにかなってしまう。 4か国語話せるは恐らくロマンス諸語を多く含むヨーロッパ言語ばかり。

この人たちが日本語のような距離の遠い言語を話せるのかとか、息子さんが何語を話すのかとか、いろいろ確認しておくべきことがありました。 私自身ドイツに行って最初の数年は英語の文法でドイツ語をしゃべっていました。 通じてしまうのです。 これを「話せる」と定義してしまえば話せるのかもしれません。


-TOEICの功罪

以前にも書いた通り、TOEICは私自身はまあ良いテストだと思っています。日本人の低い英語力に合わせたテストです。ただ簡単すぎるので英語ができる人を見極めるのはできませんが、英語ができない人を採用の段階で足切りするには最適なテストです。 

しかし、「TOEICの勉強」などと意味不明なことを口走ってTOEICを念頭に変な参考書を使ってテクニックを学ぼうとする人がかなり増えてしまいました。 また、私が新卒で就職した際には先輩(アメリカの大学を卒業)が800点台で、自分の後輩に勝てないことを相当ストレスに感じた挙句、「英語ってのはTOEICとかじゃなくてね」などとTOEIC高得点の私を馬鹿にするという高度なテクを披露されました。 

足切りには最適なテストであるにも関わらず結果的に日本人の英語学習の方向性を誤らせたTOEICは負の側面のほうが大きいのかもしれません。


-日本人の英語力

日本人の英語力は国際比較するとかなり低い部類に入ります。 東南アジアの一部の国より下です。 以前の私の仮説は日本が豊かであるため冷やかしレベルの生徒がTOEFL,IELTSなどを受けるからこんなことになるのだということでした。 これらのテストは一回100ドル以上するので発展途上国の生徒は富裕層が相当勉強したうえで回数を絞って受けるだろうというのが私の想像です。 私の知りあい(日本人)は語学留学前にIELTSを業者に勧められて受けてひどい点数を取っていました。 20年くらい前の話です。 

しかし最近は日本人の購買力がかなり下がっているにも関わらず、順位は大して変わりません。 

ただ、私の体感としては日本人の英語がそこまで劣っているとは思っていないです。 中国人やベトナム人などべらべらと英語を話しますが、発音や文法がひどすぎてほとんどなにを言っているのかわかりません。 語順がSVOであるからあれだけ話すのが楽なのかと思いますが、しかしあんなでたらめな英語を話すくらいなら日本人のように何も話せないほうがましではないかと思います。 ただここは考え方が分かれるところでしょう。 


-英検1級

やはり英検1級を取ると余裕が持てます。 求められる作文力も英語圏の大学一般教養程度のものが求められますし、2次試験のテーマは日本語でも話せないような難しい政治的話題が出ます。 ただ私にとって一番難しかったのは日本人面接委員のへたくそな英語を理解することであり、これで会話がかみ合わずinteractionの項目で点数を引かれてしまいました。

まあとはいっても、単語だけ対策していけば20代の時でも合格できた可能性は十分あります。 また、英検1級保持者を見ても時折「これで1級通るのか」と思うこともあります。 しょせん最後は人間が判定している以上いろいろなブレがあるのでしょう。 

2022年7月3日日曜日

発音について

 TOEICで満点近くとって、英検1級とって、ネイティブが書いた文章をイラっとしながら訂正して、それでもネイティブとの間に山一つあるのが発音です。 以下私が最近試したことです。


-ハミングバード(発音矯正)

銀座などで発音矯正、英会話を教えている学校です。 会社の語学研修費用を使ってもよいということになったので発音矯正を取ってきました。 まず8つの口の形を徹底的にできるようにし、簡単な文章を正確に発音できるようにします。 特にRの口の形や口角を上げる動作など今までできていなかったことに気づけたことは大きな収穫でした。また、英語の口の開き方には二段階あり、それがどちらも的確にできるようになるまで直されます。さらに腹式呼吸で話す方法まで教えてくれる場合もあります。 ただもちろん、私のようなレベルの人よりはまだ英語が話せなくて困っているレベルの人が多く、その点レベルが合わないという問題はありました。 また、明らかに私のレベルがあっていないのに上のクラスに入れてくれるようなことはなく、少々金づるにされている感もあります。 ただ、講師の質などは大変高いうえにはずれがなく素晴らしいです。 もし若いうちにこれを取ったうえで大学留学をしたら今頃ネイティブかもしれません。 しかし転職に伴い、多忙であること、また次の会社が語学費用を出してくれるかどうか不明であること、さらに言えばこの英語力で「発音矯正」などと言い出して頭がおかしいと思われても困るので6 levelあるうちのlevel3で今のところ終了です。


- phonics

〈新装版〉 英語のフォニックス: 綴り字と発音のルール 単行本 – 2019/6/18

一度くらいは聞いたことがある言葉でしょう。 英語の綴りというのは難解ですが、なぜそのような発音になるのかというルールブックです。 ネイティブは小学校低学年でこれを徹底的に習うと聞いたことがあります。この本を一度読んでみましたが、これを覚えきるのは無理だと思い諦めました。 私にとっては知らない単語を電子辞書で引いて音を出して覚えるほうが楽です。 ただフォニックスは昔からの定番であり、これのおかげで英語ができる人もいるわけで、向き不向きがあるのかもしれません。 あるいは本ではなくきちんとした授業を聞くとまた違うのかもしれません。


-発音記号

https://eigonotomo.com/4skills/hatsuon

ハミングバードの発音矯正で発音記号が頻繁に出てくるためこれをマスターしようと思い、すべての記号を覚えました。 発音記号の説明を読んでみると、ハミングバードで習うことと同じです。若いうちにこの記号を全部覚えたうえで辞書を引いて発音記号を確認しつつ単語を覚えればかなりネイティブに近づけるのではないかと思います。


- ELSA speak

携帯アプリです。 月400円、あるいは5000円程度で永久に使えます。 AIが発音を自動判定し、間違ったところを指摘してくれます。 ハミングバードで指摘されるところと大体同じところを指摘されるので悪くないと思います。 相手が機械なので10回20回あるいは100回、できるようになるまで徹底的に繰り返すことも遠慮なくできます。 ただ、間違っていてもどうすればよいのかというのはわからないこともあり、ある程度の基礎がないと無理があります。 また、機械相手に話し続けるというのはモチベーションの維持が若干きつい部分もあります。


この中でどれが一番良いかというとハミングバードですが、かかる時間、金を考えるとなかなかここまでやれる方は少ないのではないかと思います。 ELSA speakの費用対効果は抜群ですが、まずは基礎をどう作るかという問題があります。 ハミングバードのlevel 1,2で基礎を習い、さらに自力で発音記号をマスターしたうえでELSA speakに移行するのが良いプランだと思い実行しています。





2021年10月3日日曜日

教材の選び方

 英語を勉強している人に「どんな教材を使っていますか?」と訊くととんでもない物を使っていることがあります。変な教材を使っていてはただの時間の無駄です。日本で書店に行くと英語学習用の本は大変充実していますが、すべてが良い物ではありません。良いものを選ぶ眼が必要になります。

-TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ

これはTOEIC600点以上の方を対象にした単語帳ですが、600点レベル、700点レベル、といった中にたった100個の単語しか入っていません。TOEICに頻出する単語だけを挙げているからです。単語100個覚えたくらいでTOEICの点数を100点上げるなどなめた話です。アマゾンでは4.4の評価を得ていますが、こんなものをよいものだと勘違いしている人がたくさんいるとは残念なことです。外国語学習においてはでたらめに難しい言葉を覚えるのではなく、簡単な言葉をまずもれなく学習する必要があります。 なぜなら簡単な言葉というのはより頻繁に出てくる言葉だからです。

-英検〇級 でる順パス単 (旺文社英検書)

では何を使えばよいのかといえばこれです。これを自分が知らない言葉が出てくる一番低い級から始めて、すべて覚えたら次の級に進むとよいです。1級まで制覇すれば一部のネイティブに単語力で勝てます。

-アルクSVL 12000 https://eow.alc.co.jp/svl_level1.html

以前は単語一覧が画像としてアップロードされていたのでOCRにかけて抽出し、すべて覚えたことがあります。しかし私のようなことをする人が多いのか、現在では一部の単語しか載っていないのでアルクの本を買うしかありません。この単語リストは良いと思うのですが熟語が無いのが難点です。

他にも良い単語帳、悪い単語帳、たくさんありますが、ここで私が説明した選択基準をもとに選べば変なものはつかまされないでしょう。

- スタディサプリ

私としてはこれを実際に使ったわけではないので人から聞いた話になってしまいます。文法に関するビデオは大変分かりやすいとのことで、そんなに良いなら見ればよいです。ただ、その後の練習問題はTOEIC形式の4択のみです。これをやっていても力が付きません。私が以前別のページでおすすめしたような文法書を使って文章を自分で作る練習がいずれにしても必要です。 4択の問題の繰り返しで言語力なんてつくと思いますか? 例えば小学生が国語の学習をすべて4択で勉強してたら国語力が大変なことになってしまうと思いませんか? 試験の形式として4択はそれほど悪くないと思っています。 費用対効果が良いですし、4択だからと言って必ずしも簡単ではありません。英検1級の問題でも見てみてください。ネイティブでも目がくらむような問題が並んでいます。 しかし勉強法としては成り立ちません。

-アマゾン・ネットフリクスでビデオをひたすら見る。

このような勉強法が成り立つのはTOEIC950点以上です。私自身もこれで英語を勉強した部分がありますし、また英語上級者がこれをお勧めすることがあります。ただ、TOEIC950点でも結構知らない単語が出てきて辞書を引くことがあります。例えばTOEIC700点の人がこのようなことをしても何もわからずに終わるかひたすら辞書ひきっぱなしになります。時間の無駄です。やめましょう。私のように単語や文法の勉強をお勧めすると敵ができるので、このようなことをお勧めしてお茶を濁す上級者が時折います。

- DMM等の英会話

私の知り合いの弟さん(TOEIC700程度)がこれを500時間受講してほとんど英語が上達しなかったという話があります。また私が以前在籍していた会社にも管理職になって英語が必要なので英会話コースを受講させられ、400万円分受講したにも関わらず、ほとんど英語が話せず中学生以下の英語を書く人がいます。ちなみにその人が書いた英語を読むと吐き気がするとまで言われており、私も転送された文章を見て「へたくそ」を通り越して不思議な悪寒を感じました。英会話コースはある程度文法、単語を勉強したけれどもなかなか口に出せない人が練習するには良いです。また、自分の英語の癖などを指摘してもらえるというメリットもあります。ただ、それ以外の学習が伴わなければビデオを見ているのと同じです。学習時間の1割程度を英会話に使えば十分でしょう。

特にTOEIC向けは需要が大きいため多くの本が出ていますが、TOEICの要領を教えるような駄本が多いです。一歩譲ってTOEIC 受験前に使って点数を上乗せするのには使えるかもしれません。しかし自分の英語力を上回るTOEICの点数など取って何の役に立つのでしょうか?英語が話せない900点の人になりたいのですか? 適切な教材を見極める、また多くの上級者のアドバイスの中から意味のあるアドバイスを見極める力も英語の適性かもしれません。

2021年4月3日土曜日

なぜ多くの人が海外に行けば英語が話せると嘘を付くのか

 本当に多くの人たちがこの嘘を堂々とつきます。 完全な嘘ではないのではったりといったところでしょうか。 これには私の知る限り3つのパターンが有り、大きく分けて2つの理由があります。 まずそもそも何を持って英語を話せるとするかの基準が人によって違います。たしかに海外に行ってハンバーガーが注文できるようになったわけであり嘘ではないのかもしれません。

1.海外に行って中途半端な英語が話せる人

アメリカの大学を出たけどTOEIC800点台しか取れないような残念な人がよく言います。 私の基準ではTOEIC900以下は英語が話せない人なのでこれは基準の違いがやはり大きいです。

2.海外にろくに行ったことがない人

私の親族の中にも一人外大を出てこのようなことを言う人がいます。私はこれだけ勉強したけどこの程度の英語しか話せない、これは私が悪いのではなく海外に行っていないからだ、だから海外に行けば英語が話せる。というあまり良くわからないロジックから出る発言です。

3.本当に英語ができて海外にも行ったことがある人

いちいち説明するのが面倒くさいのでしょうか。 あるいは本当のことを言って敵を作るのが面倒なのでしょうか。

私は技術者として働いていますが、「ドイツ(アメリカ)に二年駐在したけどドイツ語(英語)は全くだめ」と正直に言う人を時々見かけます。 彼らは技術者として自信があるから語学ができないことをあっけらかんと言えてしまうのでしょうか。あるいは私のようなレベルの人間を相手に嘘をついても無駄だと思ったのでしょうか。私の語学レベルを確認せずに、あるいは理解したうえでバカなことを言ってくる方もまれに見受けられます。

理由は以下が挙げられます。

1.外国に○年もいて〇〇語が話せないと言うのは恥ずかしい。

以前ドイツに住んでいたときに、あるドイツに16年住んでいる日本人が「周りのドイツ人とドイツ語を話してドイツ語を習得した。私はドイツ語話せる。英語なんか話しとったらあかんよ、ドイツ語」と偉そうに私に語ってきました。(私はドイツ語を話しているといったのに日本語が通じていなかったようです。) 話の内容でドイツ語が全く話せないことはよくわかり、面倒くさいのでドイツ語に切り替えたら激怒されました。 すでに以前に書きましたが、海外生活をしているのに現地語ができない人はたくさんいます。むしろそれが普通です。やはり海外生活が長いと現地語ができないのは恥ずかしいのではったりをかます人はよくいます。

2.本当のことを言うと敵ができる

未だに日本ではまともに英語が話せる人は少数派です。 英語ができるというだけで多くの英語ができない人は複雑な感情を抱きます。 憧れの感情を抱くとか、勉強法を訊くとか建設的な考え方をする人もいますが、それよりは妬む人のほうが多いです。 語学にも適性があるので例えば勉強したけれども上達しなかった人もいるでしょうし、まあそれ以前にろくに勉強していない人が大半です。 このような人たちは「私は日本にいるから英語ができなくて当然」と信じたいのです。 真実を言ってしまうと「俺は向いてないってことか」「俺は勉強が足りてないってことか」と感情に差し支えるのです。 要領のいい人はこのことをわかっているので嘘を言うのです。 私はこの類のバカなどどうでもいいので本当のことを言います。


・例外

確かに大した努力もしないで外国語を習得してしまう人もいます。多分1000人に一人くらいこのような才能を持った人がいるのでしょうか。

- ある中国系米国人

    私が以前勤めていた会社の人です。 日本のアニメを小さいころから見ていただけで日本語が話せます。 レベルとしては日本の子供レベルなので難しい言葉はわかりませんが、6歳児に話す感じで日本語が通じます。 この人がアメリカ人だと知らない人でも多分外国人とは気づかないでしょう。ちょっと頭が弱いのかなと思われるだけです。

- あるロシア人

    ドイツにいた人ですが、ドイツ語が上手すぎて言われるまでロシア人とは気づきませんでした。(ふつうロシア人は英語、ドイツ語どちらも下手なのですぐわかります。)ご主人の転勤で中国に数年いただけで中国語も話せるようになってしまいました。

- 元同僚のドイツ人

 映画を見ていただけで完璧な英語を話します。


他にも数人このような人たちを知っています。 でもこれは誰にでもできることではないので真似はしないほうが良いでしょう。

2013年5月30日木曜日

欧米における敬語

まずは日本における敬語から

◎一人称、二人称、三人称の細かな使い分け
日本語は一人称だけでも「私」「僕」「俺」 「自分」など数多く存在します。二人称にも「あなた」「君」「お前」「○○さん」などあります。これを理由に日本語が難しいと言い張る方もいますが、いちいち面倒なのでここでは取り上げません。 ドイツ語には「こんにちは」が私が知っているだけで5種類くらいありますが、だからドイツ語が難しいとは思いません。 なぜ一人称を使い分ける必要があるのか。 簡単に言うと相手と自分の間の立ち位置を示すためです。 日本では対等な関係というものはあまり存在せず、常に上下関係が存在する仕組みになっていて、それをきちんと認識して適切な言葉を選ぶことが礼儀だということになっています。

◎敬語、謙譲語、丁寧語
日本語は文法的に敬意を示すことができるように発達しています。 私自身敬語と謙譲語の違いがあまりよくわからないですし、きちんと理解している方から見るととんでもない日本語を話しているのかもしれません。 でも率直に言って日本語の敬語とかってくだらないんですよね。 きちんと敬語で話していても話している中身が失礼な人は多く見かけます。 「慇懃無礼」ってのは日本人のためにあるような形容詞です。

◎欧米の敬語
確かに欧米にも見た目で敬語だとはっきりわかる物があります。 例えば法廷物の海外ドラマを見るとわかりますが、法廷内では裁判長に話しかける際に「your honour」と呼びかけます。 いろいろ調べたところ王族に対して話すときには「your majesty」というらしいです。 「you」と呼びかけるのは少々砕けた感じがするようです。 そういえば大学の先生が一人こんなことを授業の最初に言っていました。
「please call me Mike, but don't call me "hey you"」
もちろんある程度形で敬意を示すことができます。
http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/grammar/learnit/learnitv239.shtml
よく文法書にもこのような説明のページがあります。このサイトに書いてある表現を勉強することは必須です。  「could you」だと「をすることが可能かどうか」で、さらに仮定法にすることでより回りくどい言い方になります。 「would you mind」みたいに、「私がもしこうしたら気に障るだろうか」「あなたにこうしてもらうことは不都合だろうか」という丁寧な言い方もあります。
さらに飛行機のトイレに入ると良くこんなことがかいてあります。
「as a courtesy to the next person, may we suggest that you wipe off the basin」
  お客さんに対して洗面台を拭いてください、と言うのは恐れ多いために「may we suggest」で、「提案してもよろしいでしょうか」と、さらに回りくどい言い方になっています。 あまり口語でここまで丁寧な言い方は聞きませんが、例えばホテルの従業員がお客と話す場合などありうるのかもしれません。

◎命令文、断定的な口調を避ける
上記にあげたような敬語の形式を一通り学ぶことは重要です。 ただ、もう一つ重要なことは、相手が何をするか、という個人的な事柄に立ち入らない、それを評価しないということです。 ここで一つ考慮しなければならないのは相手とあなたとの関係です。 命令文を使うのが適切なのは例えば上司が部下に対して、教師が生徒に対して、親が子供に対して、といった場合が多いです。 部下の行動内容を決定し、責任を持つのは上司なのでここでストレートに行動内容を指定するのは良いのです。 同僚の間だと、仕事の内容を決定する人間ではないため、これは避けます。 ちなみに日本では自分はお客さんで神様だと思って横柄な態度をとる人がいますが、欧米ではお客さんは神様ではありません。 接客業の人たちに対しても丁寧な物言いをします。 また、人にアドバイスをするときに「こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」と日本語でよく言いますが、これも英語では危険です。 客観的に「こうするとこうなる」「こうするとこういう問題が起きる可能性がある」「私だったらこうする」といった事実を積み上げる言い方が無難です。  たぶんわかりにくいと思うので以下に例を挙げます。

-旅行中に話していたアメリカ人
 彼 「have you got enough cash to buy the ticket」
 私 「no, but i think the ticket office accepts a credit card」
彼 「i wouldn't count on it」

日本語だと「駅でクレジットカードが使えるかどうかなんかあやしいから当てにしないほうがいい」ということですが彼は「私だったらあてにしない」という風に主語を入れ替えています。私が何をするかという部分にはあくまで立ち入らず、かつ適切なアドバイスをくれています。

-旅行中の会話、日本人とイギリス人の比較
今までの旅行でどこがお勧めか、という話ですが、彼らの話し方が非常に対照的だったので両方挙げます。
ある日本人の場合。彼は世界一周の途中で、中南米を見てきたそうです。 「メキシコなら○○見ておくといいですよ。 ああ、あと他にみといたほうがいいのは○○」 といった会話が15分くらい延々と続きました。きちんと敬語で話しているにもかかわらず何かむっとくるものがあるのがお分かりでしょうか? 見といたほうがいいかどうかは私が決めることなのにそこを彼が断定しているからです。彼は英語がまったく話せないそうですが、話せなくて正解のような気もしました。"you'd better"とかいうともう脅し文句です。
あるイギリス人の場合。イギリスのバーで飲んでいたときに話しました。バーテンダーとのことであまり柄のいい感じではなく、教養を感じさせるタイプではないのですが、以下のような話をされました。
「oh you are going to London next? I would recommend ○○、○○ and ○○. and if you are interested in the traditional people in London, the eastern part of London is interesting. yes this part in the map. well you don't have to go, but just in case you are interested. I think this part of London is interesting」
先ほどの日本人は「見といたほうがいい」ということを強調していましたが、こちらのイギリス人は「いや、別に興味が無きゃいいんだ」ということを強調しました。これがヨーロッパの敬語の本質のような気がします。

◎日本語の限界
日本語で何か応援する際にきまってでることば「がんばってください、がんばれ」ってありますが、何かの記事で読んだところ、この言葉が嫌いな日本人って結構多いらしいです。 「がんばってください」て何か人事っぽいですし、頑張るかどうかは本人が決めることであってそこにいちいち介入されるのはあまり愉快なことではありません。 日本人はむかつくとわかっていることをいちいち人に言いまくっている不思議な民族です。 そういえば大学生のとき明日は試験だというと韓国人は口をそろえて「study hard」といっていました。 「もう十分勉強したから寝るよ」とか「どうせ高校のときに勉強したような数学だからこれ以上勉強することは無い」というと不思議そうな顔をされました。たぶん韓国語の「がんばれ」を英語にしているのだと思います。
 ヨーロッパ人だと「i wish you the best」「i am sure you will be fine」だとか言います。ただ、困るのはヨーロッパ人の言い方を日本語で言おうとしてもどうも長くておかしな日本語になってしまってうまくいかないということです。  日本語が美しいと信じている人が多い中で恐れ多いのですが、このヨーロッパ的敬意を表すことに不都合な点と、また、別のページに書いた教科書が非常にわかりにくい点を考慮すると、私は日本語は現代社会で使用するには欠陥が多すぎると思います。 多くの発展途上国のように高等教育くらいはは現地語を捨てて英語等のヨーロッパ言語にしてしまった方がメリットは大きいと思うのですが。。。。

2012年2月3日金曜日

単語学習用に

最近良いソフトを見つけました。
http://ankisrs.net/

簡単に言うと単語カードのPC版です。 最近Androidの携帯を買ったのでこれで使えるものをいくつか試してみたのですが、これが一番良いです。 私が重視した機能としてはエクセルから出力したcsvファイルを取り込めること、また、覚えたものとわからなかったものをその場で分類できることです。csvファイルの取り込みに関しては少々使い勝手に難があります。 

紙の物と比べてカードめくりの所要時間がずいぶん短縮できること、片手でできること、持ち歩きが容易になること、めくっているその場で覚えたものをより分けられること、また、もともと電子データになっているものがあれば容易にとりこめること、などが利点として挙げられます。

私は現在これを使って、webで見つけたドイツ語の不規則動詞のリストや、基礎動詞500、その他の単語リストをそのままエクセルに取り込み、PC上で辞書で調べた例文を追加し、携帯電話に取り込んですきま時間の学習に利用しています。

英語の場合でも、webからとってきたものを活用しても良いと思いますし、また私が紹介している単語帳の中で覚えられなかったものを例文ごとエクセルに打ち込んで同様に活用しても良いと思います。 これを使えば1日200個から400個の単語レビューはそれほど時間がかからないでしょう。

2011年12月27日火曜日

TOEIC965点の限界

以前にも書いたとおり私の英語力は客観的物差しを使うとTOEIC965ですが、それでも難しいと感じることは多々あります。

- 映画
最近は映画の理解度もずいぶん上がりました。 ただ、派手なアクションものやスラングのひどいものはほとんどわからないこともあります。 柄の悪い人たちが出てきて罵り合っているようなものです。 コメディーやドラマなどは9割以上理解できます。 
映画を理解することが重要であればDVDの字幕や英語コーナーで売っているせりふ本などで学習されると良いと思います。私は大学に入学することに重点を置いたためあまりこのような努力はしませんでした。 某知り合いの韓国人は大学入学までに3年かかっていましたが、下品なデート番組ばかり見て英語を勉強していたためカナダ人の女性を捕まえて結婚することは割と簡単にできたようです。彼がうらやましいかどうかは微妙なところです。

- 日常会話
あまり私の知らない話題は厳しいです。例えば米国人の中に一人いて米国の大統領選の話になったりとか、子供がいる人たちばかりの中で教育の話になったりしたときです。 理解はすべてできますが自分が話すことは少なくなります。 ある程度質問をして会話の発展に寄与する程度のことはできます。
でもこれは日本語でも同じことのような気もします。

- なまりの強い英語
米国中西部、オーストラリア、イギリス、アイルランド、などが出身の人とは1対1なら楽に会話ができますが、それより人数が増えるとほとんどついていけません。理解さえ難しいです。アイルランドの人たちがbutをブットと発音していてびっくりしました。それ以外の言葉はよくわかりませんでした。米国東海岸の英語はわかりやすいのですが、なぜかdetroitとかconneticatみたいな地名がやたら巻き舌で聞き取れません。

- 読書
現代小説などは楽に読めますが、日本語と比べるとどうしてもスピードが落ちます。 また、ページに数個はわからない言葉があります。 少し古い英語などはお手上げです。 でも日本語でも森鴎外の本が読めなかったのでこんなものかもしれません。 ただ、中学、高専を通して国語の授業で目を覚ましたことがないことが問題かもしれません。
技術科学系の読書は英語のほうが楽ですが、環境学のような文系要素の強いものの教科書はほとんど何が書いてあるのかわかりませんでした。

- 音の聞き取り
rとlの違いはいまだに聞き取りに自信が持てません。 でも発音は疲れていないときは確実にできます。それ以外の音はすべて聞き取れるため、日本人やドイツ人がthをsやzで発音すると耳に障ります。

- 慣用表現
なぜか東洋人の中には西洋人は慣用表現を使わないと思っている人がいますが、英語にも多くの慣用表現があります。米国の大企業の役員クラスになると部下の社員の半数以上が英語を母国語としない人たちになるため、慣用表現を使わずにスピーチをするトレーニングを受けるくらいです。 しかし慣用表現は文脈から意味が推測できるものが多く、意味が理解できないことはまれです。 自分で使う慣用表現はかなり限られます。

- 発音
多くの人にわかりやすい、間違っていない英語の発音をすることはできますが、ネイティブの発音、また話す早さには越えられない壁を感じます。 ドイツ語の場合はほぼネイティブの発音が可能ですが、女性名詞や男性名詞、中性名詞それぞれにつける冠詞を間違えるため簡単な会話でもネイティブでないことがすぐにばれます。

次は並みのネイティブより上になってしまったこと

-英作文
大学レベルの英語コースでかなり良い成績を取ることも可能です。一度会社で試作品を出荷するときの注意書きの日本語訳を頼まれたことがあるのですが、エンジニアが書いた原文がひどかったので英語を直しつつ日本語に翻訳しました。 書いた本人は「法律がらみの英語で難しかったかな」と気遣っていましたが、彼自身の英語を心配したほうがいいと思いました。 

-綴り
大学を卒業したけど英語が得意じゃないネイティブのつづりが直せる程度。
でもつづりと言うのは英語が上達すると余計わからなくなってくる部分があります。

-ディスカッション
自分の知識のある分野であればネイティブ相手でも特に問題ありません。 一度酒場でわざわざ私の仕事の内容について訊いてきて知ったかぶりをしてはったりをかましてくるイギリス人を論破してやったら、気分を害して帰って行かれました。

2011年8月12日金曜日

ドイツ語

ドイツ語などほとんどの皆さんにとってどうでも良いかもしれませんが一応書きます。 まだドイツ語は人にアドバイスのできるレベルではありませんが、英語学習で培ったノウハウを元に本を選びB1(中級、ドイツ長期滞在、国籍申請に必要なレベル)を最近取得しました。 夜間に週二回くらい学校に行き、最初の二年は合計150時間くらい、3年目は120時間くらいの授業をうけました。悪くないペースだと思います。 特に3年目のクラスでは先生が日本好きで私に日本についての質問を振るため、それにいつも苦戦しながら答えていたところ、コースが終わるころには楽に答えられるようになりました。

まず最初の一歩としてお勧めなのはニュートンプレス社のトレーニングペーパーシリーズです。以下の文法書だけでなく単語1000個掲載されたものもあり、またすべてCDがついているのでこれほど良いものはほかに無いと思います。 ただ、文法に関しては最初からずいぶん難しいものにまで手を伸ばしすぎていること、また接続法のようなものに関して説明が少なく分かりにくいという問題はあります。






単語は1000個では足りないので以下を使いました。これには4000個収録されており、すべてに例文がついていて良いのですがCDがついていないのが難点です。 ただ、ドイツ語の本は数が少なくなかなか良いものが見つからないのが現状です。 これの単語を大体覚えたあたりでドイツ語で仕事くらいはできるようになりました。







 

2011年8月10日水曜日

be動詞を使わない

これは大学のときのネイティブ向けの英語コースで習った話です。どこに書いてあったかは忘れましたが、いい文章、躍動感のある文章を書くテクニックとして、be動詞を使わない、というものがあります。be動詞というのは簡単に言えば左と右を結ぶイコールサインです。is, am, areを多用すると数式が並んでいるようでつまらない文章になります。これを避けるために適切な一般動詞を用いて書き換えます。

Quantity is more important than quality for him. (奴にとっては質より量のほうが大切だ)
=> He values quantity, not quality  (奴は質より量を重視する) 

is, am, are がでそうになったら、何かほかにもっといい動詞は無いか考えてみてください。 そして辞書で探してみてください。さらに There is/are も冗長でつまらない表現とされています。その後に出る名詞を主語にして書き換えてみましょう。

慣れてくると自然に良い動詞が出てくるようになります。 これであなたはネイティブを少し超えました。 

2011年7月31日日曜日

問題・目標別処方箋

ここではそれぞれの方が抱える問題、または目標別に今まで説明した内容を元にお勧めの方法を提案したいと思います。 短期的に問題を解決する方法と言うことで、今まで私が説明したこととは若干矛盾するかもしれません。

◎仕事で英語が必要
仕事で英語が必要な場合、たいていはメールの読み書き、文書の読み書きが中心になります。もちろん電話で1対1で話す、電話会議、などもありますが、実際のところメールが書ければ最低限はこなせます。一通り子音の発音を練習し、それぞれの違いを確認した後、初級編の単語と中級編の文法だけを徹底的に勉強すると良いでしょう。 目安としてはTOEIC700点になればどうにか仕事が回るようになるはずです。800点を取れば少々余裕も生まれるでしょう。余裕が生まれたら発音について振り返る、語彙を増やす、文章の構成を考える、などいろいろなことに手を伸ばすとよろしいかと思います。とにかくTOEIC700-800に到達するまではあまり変なものには手を出さないことです。 駅前留学や聞き流し、CNNを見る、TOEIC向け問題集など時間の無駄なのでしないほうがいいです。 TOEIC対策は受験直前に問題形式になれるために二回くらいやれば十分でしょう。

◎TOEIC800点、900点が取れるのに話せない
私はTOEIC700点くらいで少しずつ英語が話せるようになったので、なぜこのようなことが生じるのかいまいち理解できないのですが、以下のような原因が考えられます。
1.TOEIC問題集等をひたすら解いて単語力だけですべてを乗り切っている
TOEICの問題など単語が全部わかれば大体わかる程度の問題しかありません。 中級レベルの文法をきちんと理解していない可能性があります。 英文法の枠組みをまず理解し、練習問題を解いて文章の組み立てを学び、まずはある程度長い文章を書く練習をすることです。最初はそれに時間がかかるかもしれませんが、きちんと理解し、練習すれば文章を一瞬で組み立てられるようになります。それは後々の会話力につながります。
2.単語の意味は知っているけれども用法を理解していない
大学受験スタイルで英語ー>日本語の知識を膨大に勉強してしまったのかもしれません。でも単語の意味を知っているだけアドバンテージはあります。私のお勧めする単語帳はCDが別売りなのでCDだけ買って例文を徹底的に聞き、そしてリピートし、用法を理解すると良いでしょう。
3.発音が悪すぎる
話しても通じないとしたら可能性として考えられます。 発音の本を買って練習すると良いでしょう。
前職の職場の派遣社員で「僕、アメリカの大学出てるんですけど英語はなせないんですよ(笑)」と言う人がいてびっくりしました。 実際アメリカならTOEFL500(TOEICで700-800程度)で入学許可が下りる大学が多いため、その後理系の科目だけ専攻していれば十分にありえる話だとは思います。 

◎海外の大学に入学したい
これはもっとも英語力が要求されるチャレンジです。私がお勧めしたことをすべてする必要があります。ただ、上級編の正書法などは入学後に英語の授業で習うため、これに手を出す必要はありません。 TOEFLは学術的な語彙も多く出題されるため、TOEFL向けの単語集にも手を出したほうが良いです。 アドバイスとしてはTOEFL対策本は試験前だけでよいので基礎的なことに注力しましょう。これは私自身の反省もかねて言っています。 発音の学習と常に音読をすることは大切ですが、日本にいるうちから無理に会話力を上げようとしなくても、きちんとした語彙、文法があれば入学後に会話力は上達します。ただ最近はTOEFLにもスピーキングがあるそうなのでそうは言ってられないのかもしれません。

◎日常会話ができるようになりたい
私はこれを聞くたびうんざりします。こんなことを言い出すあなたは英語が必要な仕事にはおそらく就いておられないでしょう。 おそらく周りに外国人がたくさんいて話せないと困ると言った状況でもないでしょう。 単純に英語ができたらかっこいいな位の気持ちだと思います。 服みたいにお金で買えたらいいのですが能力はお金では買えません。 ワーキングホリデーや語学留学をするのはあなたの自由ですが、その後に得られる語学力はあなたの想像しているものとはかけ離れて低いものです。 ちなみにワーキングホリデーや語学留学では英語ができなくても女性の場合は誰かよってくるためあまり不自由はしないかもしれません。 これはよく話題になりますが、女性というのは生物学的に若いうちはとても有利なのです。男女は大体50%ずつ存在しているように見えて実は非対称なのです。 あまり英語とは関係が無いのでこの辺にしておきましょう。
ちなみに日常会話というのは英語習得においてもっとも難しい部類に入ります。別の項でお話したとおり会話の内容は文化的な影響を強く受けますが、特に日常会話は激しく影響を受けます。 欧米人と日本人では日常会話のそもそものテーマがまったく違うのです。また、社会的文化的背景もかなり違うため、共通の話題を探し出すだけで一苦労です。 以前勤めていた会社の日本の大学を出て仕事で英語を学んだ方が言っていました。「別に電話会議とか、文書を読むとかメールの読み書きとかは簡単なんだよ。何が難しいって、出張で日本に来た欧米人とご飯食べに行ったときの会話についていくことだよね。」 ぎりぎり仕事ができるレベルの方の典型的な悩みだと思います。 また、私はドイツの職場でいまだに昼食の際のドイツ人同士のドイツ語会話にはついていけないため、黙々と食べていたり英語のできる人と勝手に英語で会話していたりするため、ドイツ語ができないと思われていますが、仕事の話ならすべてドイツ語でできます。 一度私の設計した計算機アーキテクチャを検討するために会議を招集して20分くらいドイツ語でプレゼンをしたらびっくりして口をあけて私を眺めている人がいましたが、昼飯時の会話よりこっちのほうが簡単なのです。 結論を言うと仕事で英語の必要の無いあなたは本質的に英語が必要ではないのです。 ほかにも面白い趣味はたくさんあるはずですから他のものを選ぶことをお勧めします。

2011年7月24日日曜日

辞書を引くこと

しつこいようですが英英辞典を引きましょう。あなたの周りの英語ができる人を見てください。いつも電子辞書を持ち歩いていませんか? 某米国企業で働いていたときは英語ができる人ほどいつも電子辞書を持っていた気がします。

◎advanced lerners
この辞書には間違えやすい単語には必ず使い分けについての説明があります。辞書の引き方を知っているだけであなたの英語力は毎日向上していきます。

◎メールを書くとき
用法に自信の無い単語はすべて辞書で調べましょう。 前置詞はあっているでしょうか? そもそも語の使い方として正しいでしょうか? 例文の中の単語を入れ替える形で使えば完璧です。 使える例文が無ければ実は語の選択が間違っている可能性大です。

◎どうでもいいですが
就職する直前の私のTOEICは930点でした。就職してからは気になったnon-fictionを英語で読む、仕事でわからない単語、用法に自信の無い単語に辞書を使う以外のことはしていません。 3年後にもう一度TOEICをうけたら965でした。 辞書は最良の教師です。 ちなみに気になったnon-fiction はThe world is flatとfreakonomics、あとほかにもあったかもしれません。 

2011年7月23日土曜日

TOEICに対する私の見解

TOEICが日本ではほぼ事実上の標準テストになりつつあります。これに関してもでたらめなことを言う方がいます。ここで私の見解を整理しておきたいと思います。

◎良い点
聞き取り、読み、の二つに関してバランスよく構成されていると思います。受動的な英語力を測るためによくできたテストです。また、専門的な話題は一切排除し、英語ができる人なら職業や学問上の専門分野にかかわらず誰でも点数が取れるようになっています。

◎どちらとも付かない点
初級から中級の学習者の英語力を測ることに特化しています。 上級者の入り口あたりでTOEIC900点になり、これ以上の点数はあまり意味を持たなくなります。 

◎問題点 
当然のことながら会話、作文といった能動的英語力は一切測れません。 また実は日本と韓国以外ではほとんど知られていません。

別にETS(TOEICを作っている米国の会社)の回し者ではありませんが、TOEICに関する世間でのいわれようがあまりにひどいのでここで反論しておきたいと思います。 点数が取れないから批判したくなるのでしょう。

◎「TOEICで点数が取れても話せないと意味が無い」
TOEICで点数が取れている場合、読みと聞き取りができるわけで、意味が無いは言い過ぎです。たぶんメールのやり取りくらいはできるわけで仕事するには十分です。でも話せないと残念ですね。 書き換えるとすれば「TOEICで点数が取れない人が英語が話せるわけが無い」が正しいと思います。 異論があるのならTOEIC問題集の解答編の日本語を読めばよいでしょう。 あのレベルの日本語が理解できない人を私は日本語ができるとは定義しません。あれが読めない人が日本語が話せるわけがありません。 ただ、TOEICは英語運用能力の判定に関して無理があるのは事実です。どうしても会話能力が重要ならVersantのような別の試験と組み合わせて使うのが良いでしょう。

◎「TOEICはテクニックで乗り切れる」
もちろんどんな試験でも形式をあらかじめ頭に入れておくことで誰でも少しは点数がアップします。でもそれ以上はあがらないかと思います。 ETSでは統計学等の専門家がちゃんとまぐれ当たりで点数が取れないように設計していますから、統計のわからないあなたが心配しなくても大丈夫です。 TOEIC高得点者がまれにこれを言うという話を聞いたことがありますが、これはおそらく別の項で説明した「謙遜」でしょう。「勉強してTOEIC900とった」と言うと日本ではいろいろな方の利害、感情に差し障りますから。 あるいは会話力が低すぎて堂々と「英語を勉強した」とはいいづらいのかもしれません。

◎内容の程度が低すぎる
これは確かに言えることです。 TOEIC900点を超えた人用の上級者版があっても良いかと思いますが、主な市場が日本と韓国であることを考えるとビジネスとしておそらく成り立たないでしょう。 TOEFLのような大学入学資格試験を用いる手もありますが、どうでも良い学術用語が多いのでビジネスには不向きかもしれません。 問題の内容としては英検のほうが良くできています。読み書き、リスニング、スピーキングすべてが含まれている上にレベル分けされているのでより詳細に実力を測ることができます。 ただ一回受けるだけというTOEICの手軽さに負けてしまった格好でしょうか。もう一つ英検の問題としては準1級と1級の間がかなり広いので、この部分をもう少し詳細に測ろうとするとTOEICを用いるしかないという問題もあります。

よくよく考えるとなぜグローバルスタンダードの英語試験が無いのか、というのは結構面白い疑問です。 学歴なんて一度就職したらたいして何の役にも立たないのと似ているかもしれません。

2011年7月22日金曜日

話す量の違い

Low context cultureとhigh context cultureという言葉があります。 日本のように民族の均一性が高く、また歴史的にほかの民族との接触が低い民族はhigh contextになる傾向があります。逆にアメリカのように多くの民族が共存している国、またドイツのようにほかの民族と常に国境で接していて、日常的にかかかわりあっている国はlow contextになる傾向があります。

日本語は文法構造が柔軟であり、主語と目的語を略しても文章として成り立ちます。これは便利である反面日本語をわかりにくくしている原因の一つでもあります。聞き手側はこの文章の主語は何であるか、また、話が少し飛んでいる場合は何が抜けているのかを考えながら聞かなければなりません。聞き手に非常に大きな負担のかかる言語です。 ただ、話し手は言いたいことを好きなように言っていれば相手が理解しようと努めてくれるため楽な言語です。  特に話し手側の立場が上の場合、わからないことを質問するととてもいやな顔をされることが多く、授業や講演のあとの質問タイムはしーんとなることが多くなります。


それに対して英語は文章構造に日本語よりはきっちりとした型があります。主語を抜かせば命令文になってしまうので主語を抜かすことはできません。語の順番を間違えれば疑問文になってしまったり、意味は通じてもへんてこな文章になります。 また、話が飛ばないようにきちんと筋の通る話を話し手はしなければなりませんし、相手がどれくらいの知識を持っているか、自分の話を理解しているかどうか気にかけながら言葉を選んで説明します。 話し手側に負担のかかる言語であり聞き手側の負担の少ない言語です。 ほかの項でもお話しましたが、相手との共通理解を作り上げるプロセスを重視するため、例えば授業や講演などではところどころで質問を受け付けたりしてそこから対話を発展させるような形式をとる場合が多くなります。 どんな質問をしてもあまりいやな顔をされることはありませんし、逆に何も質問が無いと相手の理解度が理解できないため困惑されることがあります。 聞き手側としては率直、適切な質問、コメントをすると会話をスムーズに運ぶことができます。

ではどれくらい話す量が違うのか。以下のリンクの写真程度です。
http://www.kids-abroad.net/000120.html
写真は小学校六年生の教科書のようですが、大学用の教科書はもっと大きいです。
つまりいつもの3倍くらいの量を話さないと英語は通じないのです。

なぜ日本人にとって英語が難しいのかという理由はとてもたくさんありますが、これは日本人が気づいてさえいない大きな理由の一つだと私は考えています。

◎余談1
一度日本の某自動車メーカーの技術者が会議で私の会社にこられたとき通訳として呼び出されたことがあります。普段私がかかわっていない製品についてのお話でしたが、ドイツ人の話している英語はすべて完璧に日本語に訳すことができました。 問題は逆です。日本人技術者の日本語での質問でしたが、基本的に主語は省略、目的語もほとんど省略、文法はでたらめ、言葉を並べているだけです。私は日本語を理解することができませんでした。 わからない部分について質問をしても何がわからないのかわからないらしく、答えが返ってきません。結局日本語ー>英語の通訳は半分もこなせませんでした。 後々日本にいる方に聞いてみると日本の自動車業界では基本の話し方のようです。 たぶん彼らが英語を完璧にマスターしたところでコミュニケーションは成立しないかと思います。時折TOEIC900点で英語が話せない、というお話をお聞きすることがありますが、問題はこのあたりかもしれません。

◎余談2
英語圏の教科書はとてもわかりやすいです。全部書いてあるからです。 日本では1ページ理解するのに多くの時間を割いた気がしますが、カナダでは5ページさらりと読めば理解できるようになっています。 私は個人的には日本の大学入試の英語にTOEFLを導入し、理系全般および社会科学系の授業はすべて英語の教科書を使えばよいと思っています。 これによって多くの問題が解決します。 まず高校生がみなTOEFL対策をしなければいけないので大学受験の英語対策がより実用的になります。また、教科書のおかげで学習が楽になるため大学生の無駄な学習時間が削減されます。さらに言えば将来英語が必要になる可能性の高い人たちの英語をピンポイントで改善できるため日本人が英語ができないという事情を一気に改善することができます。 これによって日本人の理不尽なコミュニケーションパターンも少しは改善するかもしれません。

◎余談3
日本人はあまりつじつまの合わない話を平気でしますが、欧米人にいい加減な話をするとたいてい「こいつはいい加減なことを言う」か「数学ができないのかこいつは」「あまり頭が良くないのか」と思ってしまいます。 あるカナダ人が「○○(日本人)がこんなことを言っていた。あいつはカナダの大学に入学するつもりらしいがあんなやつ絶対数学の単位取れないぞ」「いや、彼は絶対Aとるよ。高専2年でとった数学をもう一回とって取れないわけがない。」「カナダの大学のほうが簡単って事??」「何回同じこと言ったらわかるんだよ」 やっとカナダの大学のレベルの低さをカナダ人にご理解いただけたようでした。  

◎余談4
教科書の写真を見てわかるとおり、学校で習う内容が日本と米国でこれだけ違います。欧米人が話すと正確な情報が大量に出てくる理由はこの辺りにあります。日本は詰め込み教育は良くないとか何とか言っていますが、詰め込み方が足りていない気がします。 問題は不毛な試験対策に追われていること、詰め込む情報の質、また、大学進学率の異常な高さ(学生のいろんな意味での平均値の低下)だと私は考えています。 ちなみに米国の大学ではディスカッションばかりしていると思っている方がいますがそれは社会科学系の高学年だけです。理系も文系も2年生か3年生くらいまでは分厚い教科書を使って基礎的概念の理解を繰り返すだけです。 日本では私の某親戚は漫画以外の本を読まない(読めない?)のですが、なぜか大学に入って卒業しました。 日本ではこのような人にまで大学レベルの教育を施すための施設を作って運営しています。 ここに注がれる予算や人材をもうちょっとほかのところに使えないかなと思います。ちなみにカナダや米国ではこのような方々は最初から大学に進学しない、あるいは進学したところで単位をとれずにさっさとあきらめてやめていくかのどちらかです。 これは結果平等と機会平等の違いです。 日本も後者を尊重する社会になってほしいと私は願っています。

2011年7月16日土曜日

冠詞とは何か (3) 

今までの項を見ていただいてわかるとおり、ヨーロッパ言語圏外の人間にとって冠詞とはとても複雑で難しいものです。ここではさらに例外的なものも見ていきます。また、冠詞からは少し外れる概念にも触れます。

◎countable/uncountable
高校レベルくらいで可算名詞、不可算名詞を習ったはずです。なぜこんなものがあるのか私にもよくわかりません。a knowledge, an information, an equipment, a news, などというと不正解なのです。この概念はドイツ語にも無く、ほぼネイティブレベルの英語を操る人でさえほぼ確実にここで間違えるのでわたしはいつもぷっと笑いそうになります。どうしても数を言いたいときにはtwo pieces of equipmentといえば文法的には正しいです。ただ聞いたことが無い気がします。
また、さらにこれを複雑にするのは種類を指し示す場合には数えることができる点です。基本的に粉、液体系の物体、食品、例えばwater, ketchup, など不可算なのですが、「ケチャップのうちの1ブランド」という意味で使う場合数えられます。例えば
There are three (different kinds of ) ketchups in this supermarket. このスーパーには三種類のケチャップが売っています。コーヒーを二杯頼むにはCan I have two cups of coffee, please? といいますが、two coffeesもよく聞きます。
お判りでしょうか? べたっとした液状のケチャップを言っているときには不可算ですが、Heinzとかカゴメとかブランドを言っている場合には当然数えられるのです。 コーヒーも同じことですね。 ぴちゃっとした液体のコーヒーは不可算ですが、カップに入った売り物としての一単位をコーヒーとしている場合には数えられます。 ただ私の直感としてはこのコーヒーの運用は文法的に逸脱している感があります。 two cups of coffeeは長過ぎて面倒なのでしょう。 
◎固有名詞
通常固有名詞には冠詞をつけません。ただ例外的に以下のような運用があります。
A Mr. Yamada has phoned you. 山田さんという方から電話がありました。 ここではAをつけることで誰だか知らないけど山田という人から電話があったという意味になります。お互い誰だか知らないのでその山田さんは話題のテーブルの上にいません。それ以外の世界から突然一人の山田さんが無作為に出てきたため、aがつくのです。
The Alexander アレクサンダーは名前です。でも例えば同じ部署に二人のアレクサンダーがいたらどちらか特定できないのでどちらかに限定された時点でtheが付きます。実際には何らかの形容詞を間に挟む場合が多いでしょう。


◎固有名詞を構成する一般名詞
The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland イギリスの正式名称です。なぜtheが付くのか?このtheはKindgomにかかっています。kingdomは一般名詞です。スウェーデンとかモロッコとかその他ほかにも世界中に王国があるにもかかわらず、ここではイギリスに限定しています。 ofからあとで、それは明らかです。グレートブリテン島と北アイルランドにある連合王国です。だからtheが付くのです。 The United States of Americaも同じことです。省略してThe UK, The USA, the US, the statesといいます。もちろんUSAと冠詞が省略される場合もあります。でもUSが形容詞として使われる場合は話が別です。The US Armyというと一つに限定されますが、A US diplomatならたくさんいるうちの一人なのでa/theどちらもありえます。 さらに似たようなものとしてthe Iberian Peninsula イベリア半島もあります。半島は一般名詞ですが、地名をつけることで特定の一つに限定されてtheが付きます。 私の持っている本には「例外」として書いてありますが、これがどう例外なのか私には理解できません。論理的に当たり前のことのはずです。

◎地域差
なぜか英語圏でも国によって多少ぶれがあります。例えば日付にはカナダではthe 15th of Januaryとtheになりますが、アメリカではなにもつけず15th of Januaryとなります。また、それ以外にも文脈上aでもtheでも差し支えない場合があります。私の説明をきちんと理解された方はどちらでも当てはまる場合がたくさんあることにうすうすお気づきでしょう。例えば
I wouldn't get into the decision-making process.
私はその意思決定のプロセスには関与するつもりは無い。 これだとこの特定の意思決定プロセスに関与しない、と言う意味ですが、ここで
I wouldn't get into a decision-making process.
と言うと一般的に言って私は意思決定に関与しないと言う意味になります。
でも、何らかの意思決定について話しているときにaを使ってもtheを使っても、とにかくこの意思決定プロセスにかかわるつもりが無いことを示すことができます。
ここでどれを選ぶかは地域差が出るというお話を聞いたことがあります。英語ではないですが、ドイツ語ではこのようなどちらでも良い場合にほとんどtheに相当する冠詞がつきます。イギリス人やオーストラリア人はいまだに何を言っているのかよくわからないので私にはコメントできません。 ちなみにドイツ語ではありえない場所にtheがつきます。一人しかいないAlexanderにtheが付いたり、また、スイスやトルコなど一般名詞が入っていない国名にtheが付いたりします。英語もいくつかこんな例外があったような気がします。

なんだかとても難しい話になってしまいましたが、文章を読むときにはなぜここにtheなのか、なぜaなのか、時々考えてみてください。そして理解できなければ辞書の定義と見比べて確認してみてください。そうすることであなたの冠詞脳が少しずつ形成されます。

中級における学習の指針

中級では文法書を一つご紹介し、また冠詞については私なりの冠詞の理解について説明しました。
初級の単語の知識とこの文法の知識、正確な発音、あとは電子辞書が片手にあれば意思疎通には困らないはずです。仕事で英語が必要な方はすでに大きなトラブル無く仕事ができるでしょう。また日常生活において、例えば買い物のときに店員に込み入った質問などもできるでしょう。 わたしは英語に関してはすでにこのレベルがどんなものだったのか忘れてしまいましたが、ちょうどドイツ語がこのレベルなので毎日感じていることです。

でもこのまま実践だけをしていてはあなたの英語のレベルはそのままです。ネイティブと1対1の会話はまあまあできてもネイティブ同士の会話はおそらくさっぱりわからないでしょう。また、ちょっと早口な人とは1対1でも会話が成立しないでしょう。あなたの英語力を向上させるのに必要なのはここでもやはり理論的学習です。あくまで学習7割、実践3割くらいにしましょう。学習のほうが大切なのです。 ただ、あなたはすでに実践ができるので学習したことを次の日に実践してみることができます。ここからは本気になれば一気に加速することができるはずです。

◎単語
初級を終えたあなたはすでにどう単語を勉強すればよいか私よりもよく知っているはずです。同じシリーズの上級編をお勧めします。